
さて、何でしょう?ちょっと季節はずれともいえますが、まだ寒い日もありますから、使う方も多いと思います。ありそうで、あまりないものです。
この商品、単純な形の小物ですが、意外に作りにくいというか、材料を加工中、押さえる場所が少ない形状です。このため、削るための型や小道具(ジグといいます。ジグは英語ですので治具と表記する方が多いですがあまり感心しません)も3個必要となりました。写真の左側に写っているものがジグです。縦軸用が2個、ルーター用が1個です。ジグを作るだけで、半日はかかりました。当工房のように機械を多用する作り手にとって、機械よりも大切な資産はジグです。機械は壊れたらまた買うことができますが、自分で作ったいろいろなノウハウの詰まったジグはお金では買えませんので・・・。このジグ作りが、木工の大きな楽しみの一つです。
手が4本も6本もあればいらないかもしれませんが。
ドイツの工業製品が優れているとはよく言われますが、ドイツ人て背もでかいけど手もでかい。基本的に不器用なんです。
不器用だから工具やジグを工夫したんですね。それがドイツ人の優れたところ。現代の品質管理の源ですね。
ジグを継承していく仕組みも大事かもしれません。
ジグ作りのこつのようなものの継承、分野によっては途絶えてしまったものも多いことと思います。先日ご紹介しましたが置戸には故秋岡芳夫先生(クルマ好きの方には、ペレットのデザイナーというとわかるかもしれませんね、ライカのコレクターとしても有名です)のコレクションもありますので、昔からの技術や考え方もこれからのものづくりに生かしていきたいと思っています。