2024年09月22日

オオツリバナ

10年ほど前に、置戸のスポーツセンター脇に植えられているオオツリバナの種を拾ってきて、複数ポットに蒔いて2年後にようやく1本だけ発芽、その木がようやく今年実をつけました。樹高はまだ2m弱です。

はじける前の果実には5枚の羽のように見える部分があるので、ちょっと星のカービィみたい?です。
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はじけるとこんな感じに。
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ツリバナ(北海道だとエリマキと呼ぶことの方が多いかも)は発芽率が低く、種子は強い休眠性があるため、ジベレリン処理もやってみたのですがやり方が悪かったようで効果はなく、結局自然に雪の中で低温湿層処理されたものが普通に長い休眠から発芽したという感じでした。

生長が遅いし実は赤く綺麗で可愛い、そして発芽率はとても低いのでミズナラやイタヤカエデのように増えすぎる心配もなく(うちの庭ではあちこちからナラとカエデが生えてきて困っています)庭木向きですね。

ツリバナ、というかエリマキは小さな細工物に用いられる木ですが、あまり太くなることもないので材として流通する事はなく、仕事ではいまだに扱ったことがありません。この木が木工品の材料として使えるほどの太さになる頃、私はもうこの世にいないでしょうね。笑
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2024年01月07日

ヤンマー VS3

今まで、工房や家の周りの除雪はフォークリフトで行っていましたが、元々モノを運んだり高いところに乗せるために作られた車両なので、重いドカ雪が降ったときなど簡単にスタックしてしまい、とても苦労していました。

そこで除雪に強いジョブサンやボブキャットなどのスキッドステアローダーに買い換えようと色々調べていたところ、ちょっとマイナーなマシンを発見、昨年購入しました。

ヤンマーのVS3というマシンです。
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これはコマツのSK07-3というローダーのヤンマー向けOEMで、スキッドステアローダーながらアームがアーティキュレート式(中折れ)ホイールローダーのように運転席前に付いているためジョブサンのように前からではなく横から乗り降りが出来、アームが運転席の横にはないため安全な上、左右と後方の視界もフォークリフト同様に広く、私のようにフォークリフトから乗り換える者にとっては最高のレイアウトになっています。
購入したマシンは1995年式と新しくはないものの稼働時間が400時間程ととても少ない掘り出し物でした。はるばる愛知県からやってきました。

バケットは土砂運搬用の容量の小さな仕様だったため、除雪用に改造してもらいました。
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通常のスキッドステアローダーは2本のアームで左右のタイヤを前後させ、2本のペダルでアームの上下・バケットの上下を操作しますが、このVS3はまるで遊園地の遊具みたいなハンドルで左右タイヤを前後させ、1本のレバーでアームとバケットの操作をします。やや慣れは必要でしたがなかなか使いやすい仕様です。
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通常のスキッドステアローダー同様、アクセルはありません。シート左側にスロットルレバーがあり、エンジン回転数はこれで操作します。
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でも、このマシンは足で操作するのがパーキングブレーキと高速・低速の切り替え(ほぼ使わない)だけなので、フォークリフトのようにアクセルペダルの方が良かったような気もします。除雪中、足がとても暇で動かさないので寒いです。笑

ちなみに、燃料計はありません。燃料タンク横のゲージがその代わりです。昔の重機ではよくある仕組みのようですが、知らないとちょっとビックリします。買ったときは透明ホースが劣化でほとんど見えなくなっていたので、整備の時に新しくしてもらいました。
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フォークリフトのように木材やドラム缶を運ぶ時は、バケットをパレットフォークアタッチメントと交換します。このアタッチメントは特注で音更町のキャスさんに作ってもらいました。
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フォークリフトでの除雪と比べると、あまりに楽すぎて、今までの苦労は何だったんだろうと思うほどです。タイヤチェーンは買ってあるのですが、15cm程度の雪だとなくても全く問題ありません。基本的に戦車と同じ駆動系なのでデフがなく、四駆なのでスキッドステアローダーは敷地内の除雪には最強です。

とても使いやすいマシンだと思いますが、一般受けしなかったのか今は生産されていません。残念ですね。
塗装状態はよろしくないので、春になったら塗装しようかと思っています。

なかなか珍しいこのVS3、大事に使っていこうと思います。
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2023年12月29日

シナノキのオイル塗装

今年も12月は鏡餅を載せる三方を沢山作っています。

この三方、一番人気は白さからかシナノキなのですが、経時変化で下記の写真左側のようにかなり黄色っぽくなります。
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そこでいつも使っているU-OILの製造元・(株)シオンさんに相談して白木仕上げ仕様のクリアホワイトのオイル塗料を3種類試作して頂きました。
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経年変化があるのも木の良さながら、それを穏やかにしたいという感じで、何も塗っていないように見える白木仕上げではなく、クリア塗料だけを塗ってある木地仕上げの雰囲気を目指しています。

クリアホワイトの濃さやクリアとクリアホワイトを塗る順番など色々と実験中です。
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なかなか良い感じに仕上げられるようになってきましたが、これが経時変化でどのようになるか、こればかりは半年程度は経たないとなんとも言えません。加速劣化試験をするとしても、黄変する主な原因が温度なのか湿度なのか紫外線なのか木材とオイル塗料の化学変化なのかもわかりませんし、やりようがないですしね。

半年後が楽しみです。
posted by snowgoose at 18:56| Comment(0) | 日記

2023年11月14日

ハクガン、浦幌にて

11/12に浦幌町にハクガン(Snowgoose)を見に行ってきました。
屋号がスノーグースながら、今まで動物園でしか見たことがなかったので、野生のハクガンを見られたのは初めてでした。濤沸湖や宮島沼など、マガンやヒシクイなど多くやって来るところには何度も行ったことはあったものの、ハクガンはめったに来ないとのことで出会えず、浦幌町にはやって来ることは知っていたのですが、何故か置戸からかなり遠いように錯覚していて、今まで行ったことがなかったのでした。(実際は置戸から140km弱で結構近いです。)

ネットの情報を元に、たぶんあそこにいるだろうというあたりに行くと、いました。
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白いのがハクガン、シジュウカラガンと一緒に行動していました。
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ハクガンは狩猟や繁殖地の北極海沿岸で盛んに行われたトナカイ放牧の影響で、アジアへの渡りが途絶えていたそうです。1993年に北極海の繁殖地で採取したハクガンの卵を日本へ渡るマガンの繁殖地へ移送し、マガンの巣に預けたり人工ふ化させマガンを仮親としてアジアに渡らせようという復活計画によって、北海道には数羽しか渡ってこなかったハクガンが、今では3桁にもなる数が渡ってくるようになったそうです。
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11月下旬、十勝川下流域が雪と氷に閉ざされるとハクガンは秋田県経由で新潟県へ、シジュウカラガンは主に宮城県付近に渡って冬を越すそうです。そして3月、雪や氷が溶ける頃、また十勝にやって来るそうです。

ハクガンを探しながらクルマを走らせていると、電線に見慣れない猛禽がいました。
コチョウゲンボウのオスでした。初めてみました。
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タンチョウは、ごく普通にあちこちにいました。
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1日、鳥見三昧でした。浦幌、また行きたいと思います。

ハクガンは近くまで寄ることは難しい場所にいたため、全て35mmサイズ換算2000mmで撮影しました。4枚目は100m以上離れていて、肉眼だと白いのがいるくらいしかわかりませんでした、超望遠コンデジ様々です。
posted by snowgoose at 20:57| Comment(0) | 自然

2023年10月22日

「思い出のイトムカ」を読んで

8月下旬に国道242号置戸町北光地区で行っていた排水工事個所で空洞が確認され、それが水銀鉱山坑道跡だったことをきっかけに、置戸やイトムカの水銀鉱山について色々知りたくなって、今回はイトムカ水銀鉱山閉山40周年に発刊された「思い出のイトムカ」を読みました。
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北見市留辺蘂町のイトムカ水銀鉱山で働いていた、又はその子供だった方達のイトムカでの仕事・暮らし・学校や行事などの思い出が綴られています。戦中戦後の生活史としても興味深い本でした。
中国人・朝鮮人労働者についての記述もあり、これこそ今日韓の間で問題となっている徴用工だったという事を、今更ながら気付かされました。
徴用工、これは大きな鉱山や朝鮮半島の工場などの事だろうと思っていたら、置戸の鉱山にも韓国徴用工が120人程労働させられていたわけで、遠い話ではなく、身近な話だということに衝撃を受けました。不勉強でした。韓国政府作成「戦犯企業」273社実名リストの中にも、イトムカ・置戸鉱山を採掘していた野村興産の名前は載っています(徴用工訴訟対象にはなっていないようです)。

学校では、徴用工問題、どのように話しているのでしょうか、遠い場所の話ではなく同じ事が身近でも行われてたことを教えること、報道も今一度過去を客観的に検証して伝えていくことで、何があったかをお互いに冷静になって知ること・学ぶことがない限り、日韓がわかり合えることは難しいだろうと感じています。
大事なことは、まず知ることです。

この本の第1章は、下記のページでも読むことが出来ます。また、発刊後の動きについても記載があります。
https://sites.google.com/site/itomukanoomoide/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
置戸には朝鮮人・中国人殉難慰霊碑がありますが、現在も稼働している野村興産への配慮か、留辺蘂には慰霊碑がないとのこと。慰霊碑はそこで何があったか、後世に伝えていく、記憶の場であると思います。
置戸町史に比べて、留辺蘂町史には水銀鉱山の記述が極端に少ない、企業やそこで働く人への配慮も必要ですが、もっと大きな視点から物事を捉えてほしいものです。
posted by snowgoose at 21:44| Comment(0) | 日記

2023年10月14日

トドノネオオワタムシ

このところ、毎日大量のトドノネオオワタムシ、通称・雪虫が飛んでいます。
名前の通り、もともとトドマツからヤチダモに向かって移動しているわけで、ヤチダモ樹皮の割れ目は雪虫だらけです。
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この羽と綿のようなロウをまとった雪虫は全部♀で、ヤチダモ到着後、良さそうな場所に落ち着くと単為生殖で羽も口もない♀と♂を生み、その♀と♂が有性生殖し産卵、卵で越冬、春にはまず羽のない成虫となり単為生殖で今度は羽のある大量の♀を生み、ヤチダモからトドマツに移動、そこで数世代を経てまた晩秋にヤチダモに移動という不思議な生態の昆虫です。

有性生殖のためだけに生まれるような♀と♂は1mm以下と小さく、よほど良く見ないと見つからないかもですが、♀はお腹に卵があるのでオレンジ色、♂は緑色で識別は容易です。

こちらが♀です。
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そしてこれが♂です。
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上の写真だと♂は触覚がないように見えますが、ちゃんとあります。
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そのまま何かのキャラクターになりそうな可愛らしさです。
posted by snowgoose at 21:32| Comment(0) | 日記

2022年05月13日

シウリザクラとブラックチェリー

久しぶりにシウリザクラ材がまとまって手に入りました。
エゾヤマザクラより赤みが強い材です。
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このシウリザクラでトレーを作ると綺麗なのですが、底板用のシウリザクラのツキ板が手に入りません。仕方なく近縁と思われるブラックチェリー(アメリカクロミザクラ)のツキ板と試しに組み合わせてみたところ、違和感がありませんでした。
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この組み合わせ、問題なさそうですので今後、量産予定です。

シウリザクラはウワミズザクラのように白い小さめの花が房になって咲くサクラです。今、工房の庭では満開です。香りは悪くないですがきつめです。
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エゾヤマザクラやソメイヨシノに比べたら地味で、木にあまり興味がない方が見ても同じサクラ属とは思えないかもしれません。

なおサクラの種類についてはウィキペディアを参考にしました。興味を持たれた方は、下記をご覧ください。
シウリザクラ
ブラックチェリー
ウワミズザクラ
posted by snowgoose at 21:25| Comment(2) | 木・木工

2021年08月14日

IK Multimedia UNO DRUM

最近、新しいリズムマシン、IK MultimediaのUNO DRUMを購入しました。
アナログ6音源とPCM6音源のハイブリッドマシンで、アナログは評判通り素晴らしく、音色エディットもしやすいです。でもPCMはサンプリング周波数も量子化ビット数も低く、アナログと釣り合わずにおまけ程度という感じです。CYMBALやRIDEがPCMなのは残念、KICK2はPCMでも良いから(というか私はKICKは一つで良いのでTOMが3個の方が良かった)、せめてCYMBALはアナログにして欲しかったと思います。あと、パラアウトが全くないのも残念、SNAREだけでもあれば良かったなぁ。でも変拍子も簡単に作れるし、操作性も良く、タッチパネルのドラムパットは叩いたときに当然無音で、やたらとカチャカチャと音のするパッドより私は良いと思いました。なかなかのお気に入りです。
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KORGのmonotronやvolcaシリーズなどのガジェット系と呼ばれる電子楽器と同じく、このUNO DRUMも出力端子はステレオミニジャック、JIS規格で言えば3極小型ジャック。これはヘッドホンアウトと共用するためだと思いますが不便です。ステレオ音源の楽器ならこれでいいのですが、これらの楽器は大体モノラル、ミキサーに接続するときはモノラルチャンネルに入力するのでステレオ→モノラルのケーブルを使うことになります。実際はモノラルミニプラグ(2極小型単頭プラグ)→モノラルフォンプラグ(2極大型単頭プラグ)のケーブルでも音は出ます。しかしこれだとRチャンネルの+と−が短絡した状態になってしまいます。その状態でも短絡しないように楽器側に抵抗が入ってるかもしれないのですが精神的にすっきりせず、よろしくありません。モノラル信号を単純にLRに分岐させているだけだと思いますので、楽器側のプラグは3極にして、LR双方の+を一緒にして結線しても問題ないとは思うものの、絶対に問題が起こらないようにLチャンネル(先端のチップ)は結線せず、Rチャンネルだけを結線したケーブルを作って接続しています。
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ケーブル・コネクタとも私の古巣であるカナレ電気製。私がサラリーマンだった30数年前と今も同じ型番・デザインで作られていて、そして今でも業界の定番コネクタであることは、うれしいですね。このコネクタ、今も群馬県のM社で製造されているのかなぁ。なつかしいなぁ。

フォンプラグのF-15、先端のチップとケーブルをはんだ付けする部分が一体ならこの部分の接触抵抗がなくなりもっと音が豊になると思いますが、相変わらず一般的な構造です。でもアース側はネジ部分と一体構造で強度抜群、安心感があります。
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volcaシリーズなどをお使いの皆さんは、どんなケーブルで接続されているのか興味があります。最近はステレオ入力のあるミキサーばかりなので、素直にステレオアウトのケーブルで接続されているんでしょうかね。
posted by snowgoose at 22:45| Comment(0) | 日記

2021年08月07日

何シデムシの幼虫でしょうか?

先日、庭で見慣れないシデムシの幼虫を見つけました。
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この子はいつも見る真っ黒ではなく、頭部にオレンジの部分がありました。もしかしてヨツボシヒラタシデムシの幼虫でしょうか?ネットや手持ちの図鑑で調べてもヨツボシヒラタの幼虫は出て来ませんでした。ご存じの方おられたら情報お待ちしております。

シデムシの幼虫、気持ち悪いと嫌う方も多いようですが、私はちょっと三葉虫的でサンダーバード2号にも少し似ている形が好みです。
posted by snowgoose at 21:24| Comment(0) | 自然

2021年07月25日

クロマルカメムシ

工房の裏の一角に群生しているシロバナシナガワハギに3mmほどの小さな丸い虫があちこちにいます。
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ハムシの仲間かと思って良く見たら触覚や交尾のスタイルがカメムシ、調べるとクロマルカメムシのようです。
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この角度から見ると甲虫みたいです。
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小さくて丸い虫はそれだけで可愛いですね。

シロバナシナガワハギはマメ科の外来植物でリンク先の通り北海道ではブルーリストA3となっています。
花は小さく地味ですがよく見ると可憐です。
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posted by snowgoose at 10:02| Comment(0) | 自然